現在の日本は「戦後最長の景気拡大」と言われています。
ところが、私たち国民の賃金があまり上がっていないことから、その実感は乏しいままです。
そんな消費者の「購買意欲」をかき立てようと、企業はさまざまなサービスを打ち出します。
一見、お得にしか見えないサービスも、決して表では言えない闇の部分が存在しています。
あの有名でお得なサービスのカラクリについて、闇を覗いてみたいとは思いませんか!?
今回は、お得のように見えるあのサービスの知られざる闇の部分を紹介していきます。
〇〇放題の定額サービス
「食べ放題」、「借り放題」、「飲み放題」など、〇〇放題と謳う定額サービスが人気です。
東京にある居酒屋では、月3,000円で250種類ものドリンクが飲み放題のサービスがあります。
また、飲食以外でも、自社ブランドの服を月5,800円で借り放題にする、サービスアパレルメーカーも現れました。
でも、こんなに安くして大丈夫なのでしょうか!?
人間にとって、選択はストレスがかかる行為です。
それは、何かを選ぶと同時に、何かを捨てなければならないからです。
だから人間は、無意識に「できれば現状を維持したい」と思っているんです。
これを行動経済学で「現状維持バイアス」と言います。
「月3,000円飲み放題」、「月5,800円で服借り放題」といったサービスを使えば、人は選択に悩まされなくて済みます。
結果、その店に行き続けたり、サービスを使い続けたりするので、結局、客単価は変わらないのです。
コーヒー無料のマクドナルドが儲かる理由
マクドナルドのコーヒー無料は、何回か実施されています。
無料クーポンもありますよね。
でも、どうしてコーヒーを無料にできるのでしょうか。
人は何かサービスなどを受けると、「お返しをしなければ悪い」という心理が働きます。
これを「返報性の原理」と言います。
また、人間は我慢をしていた欲求を爆発させることもあります。
先ほどのように、無料コーヒーに惹かれて店に入った途端、「たまにはちょっと贅沢しちゃおう」という心理が働くことがあります。
ここに「返報性の原理」が加われば、「今日はダブルチーズバーガーも一緒に頼もう。500円でもお釣りがくるし
」となるんです。
無料コーヒーで客を引き寄せて、一部の客が高いものを買ってくれれば、売上アップが十分に期待できるのです。
1枚買うともう1枚無料
ドミノピザでは、お持ち帰りに限り、1枚買うともう1枚無料というサービスがあります。
実は、宅配ピザは調理よりも、デリバリーにコストが掛かっているんです。
この宅配コストを下げるために、ここ最近は、この手のサービスを強化しているのです。
宅配コストには、まず、人件費が上げられます。
宅配ピザの大半が、人件費です。
しかも、調理15分、配達が行きで15分、帰りで15分と、合計で30分掛かるとして、1回の注文につき約1時間もの時間がかかっているのです。
そして意外とバカにならないのが、ガソリン代です。
最近はガソリン価格が高止まりしています。
そうなると、お持ち帰りしてもらったほうが、断然コストはかからないのです。
ちなみに、ピザの原価はそれほど高くありません。
ピザの原価は、せいぜい販売価格の10%〜20%ほどです。
2,000円のピザなら、原価は200円ほどなんです。
やはり、大半が宅配コストに掛かっているんです。
これなら、「1枚買ったら1枚無料」にしても、お持ち帰りなら十分利益が出ます。
ピザのサービスは、お店だけではなく、私たち消費者にとってもメリットがありますね。
最後に
如何でしょうか。
食べ放題や借り放題のサービスがお得じゃない理由について紹介しました。
巷にはびこる、一見お得に見えるサービス。
うまく消費心理をついているものから、コスト削減によるものまでと多岐にわたします。
しかし、結局は企業のほうが、より得をするようにできています。
あなたが利用しようとしているそのサービス、本当にお得ですか!?
最後まで読んで頂き、誠に有難うございました。